はけの森美術館

所蔵作品展 画家のメタモルフォーゼ ―中村研一、その作風の変化―
同時開催 水辺のドローイング

 洋画家・中村研一は戦後、明るい色彩とのびやかな筆致による女性像や室内画を数多く描きましたが、他の画家にとってもそうであるように、この画風は一朝一夕に生まれたものではありませんでした。本展では中村作品におけるモティーフと描写の変化―これを本展ではメタモルフォーゼととらえます―を、対比的にご紹介致します。
 明治28 (1895)年に福岡県で生まれた中村は、青年期に鹿子木孟郎の下で学んだ他、 大正4 (1915)年には東京美術学校に入学、岡田三郎助の指導を受けました。そのため初期作品には太平洋画会や、外光派の特徴が見て取れます。中村はそうした影響の上に、陰影のコントラストに特色を持つ画風を展開、官展を中心に発表を続け高く評価されました。戦後にかけてはさらに大きく作風が変化し、筆跡を残す大胆なタッチ、色鮮やかで平面性が際立つ背景、黒い輪郭線が見られるようになります。ここからは中村が一般的な意味での「リアリズム」から遠ざかりながら、新たな表現を模索する様子がうかがえます。一方モティーフに着目すると、戦時下にはベトナムやシンガポールの風景、戦艦の浮かぶ海景、現地の女性像、また戦争記録画の下絵として兵士のエスキースなどが描かれました。また戦前から描き続けていた妻の単身像は戦後にも引継がれ、中村のライフワークとも呼べる主題となってゆきました。1920年代から60年代にかけての、驚くばかりの画風の変化(メタモルフォーゼ)をお楽しみ頂ければ幸いです。
 また二階展示室では、「水辺のドローイング」展と題し、所蔵品の中でも夏らしい水辺を描いた風景画を中心に展示致します。
会期

2021年7月28日(水)~2021年9月5日(日)

開館時間

午前11時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日

観覧料

一般 200円
小中学生 100円
(未就学児および障害者手帳、愛の手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

展覧会 これから・現在の展覧会

海と画家との説話性 ― 海をめぐる中村研一の物語 ―

洋画家・中村研一(1895-1967)の幼少期には、魅力ある風景として常に海が身近にありました。出生した宗像市、鉱山技師である父の仕事で過ごした新居浜市は、どちらも玄海灘・瀬戸内海という穏やかな内海に接し、明治以降、造船所などが発展した地域です。これが強い印象を残したのでしょうか、海景の中でも特に中村を惹きつけたのは船の様子だったようです。
中村研一よりも二歳歳下の実弟で同じく洋画家となった中村琢二は、兄が木っ端などをうまく使って作る船の模型はとても出来が良く魅力的で、こども心にうらやましかったと折に触れ語っています。こうした幼少期の船に対する関心は、長じて画家になってからも続き、海景を主題とする作品にはしばしば重要なモティーフとして艦船が登場します。
本展では中村研一の生涯にわたって続く海とのかかわりを「はじまりの海」「展望の海」「追憶の海」の三章、さらに二階展示室のテーマ展示「海を渡って見てきたこと」から探っていきます。船と海を描いた作品だけでなく、遠い海へ思いを馳せるようなものや、中には一見すると海と関係があるとはわからないような、意外な作品もあるかもしれません。画家の発想が自由に広がっていく様に、ぜひあなただけの海との物語を見つけ出してください。
概要

会期:2023年 3月26日(日)~5月14日(日)
開館時間:10:00 ~ 17:00(入館は 16:30 まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般200円、小中学生100円
※障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方 1 名は無料 未就学児無料
主催:小金井市立はけの森美術館
編集・デザイン協力: Kenichi Masaki Media Lab.
※事前告知なく会期や開館時間が変更となる場合があります、当館 HP で最新の情報をご確認ください。

関連企画1

読み聞かせとワークショップ「海とわたしの物語」 ※申込不要・参加無料
展示や読み聞かせからイメージをふくらませて、絵の具で「わたしの海」の絵を描いてみましょう。
日時:3 月 29 日(水) 13:30 ~ 15:30
講師:こごうちぶんこ ことりのへや
対象:未就学児から小学生まで(未就学児については保護者同伴、15 組程度の先着受付)
会場:はけの森美術館二階多目的講義室

関連企画2

ギャラリートーク
担当学芸員が展覧会と作品について解説を行います。
日時: 4 月 22 日(土)14:00 ~ 14:30
    5 月 13 日(土)14:00 ~ 14:30

関連企画3

中村研一の誕生日を記念した無料観覧日

5 月 14 日は中村研一の誕生日。今年はぴったり誕生日当日が無料開館日です。


過去の展覧会

丸山晩霞 日本と水彩画 丸山晩霞記念館所蔵作品を中心に

丸山晩霞(1867-1942)は近代日本では珍しく、水彩画を専門とした画家です。晩霞は風景画、とりわけ山岳風景を得意とし、国内外の山々を巡るため、自らの足で旅を重ねました。本展では晩霞の故郷である東御市の丸山晩霞記念館の所蔵作品の中から、その足跡の一部を辿り、主として信州、ヨーロッパ、アジアの旅で生まれた作品を紹介いたします。晩霞は旅をしながら当地の絵を描くことをこよなく愛しました。当時の資料を紐解くと、東京に居を構えながらも年中どこかに旅をしていたことが分かります。一方で残された言葉や作品からは、彼が水彩画を手掛けながらも「本当の日本画」を生むことに苦心していた様子が読み取れます。例えば1918年には「郷土的民族性」を求める「新日本画協会」を立ち上げ、同じ頃から日本画や和装の水彩画を制作するようにもなりました。旅を通じて海の外に広がる世界を自身の肌で感じていたからこそ、西洋由来の水彩画によって新たな「日本画」を創造しようとしたのかもしれません。

二階展示室では、晩霞と同じ時代を生きた、中村研一(1895-1967)の作品を展示します。そのまっすぐな気性のため、官展から距離を置いた晩霞に対し、中村は官展を舞台に自らの道を切り開きました。公立美術館の特色あるコレクションとしての、二人の作品の異なる魅力を味わって頂ければ幸いです。
会期

2022年11月12日(土)~2022年12月18日(日)

開館時間

午前10時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日

観覧料

一般 500円
小中学生 200円

(未就学児、また障害者手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

花侵庵と現代作家:No.1 志村信裕

はけの森美術館の裏手にある美術の森緑地には、洋画家・中村研一(1895-1967)の住んでいた主屋(現附属喫茶棟)と並んで、茶室「花侵庵(かしんあん)」があります。絵を描くことと同様に、暮らしの一部として「作陶」や「喫茶」を楽しんだ中村が1961年に建てたもので、主屋と同じく建築家の佐藤秀三(ひでぞう)(1897-1978)が設計を手掛けました。両建物とも、小金井市初の国登録有形文化財(建造物)です。<花侵庵と現代作家>は、この「花侵庵」を会場に、現代アーティストによる作品展示を行うプロジェクトです。第一弾の本展では志村信裕(1982-)による映像作品が茶室空間に展開します。
志村は、日常生活の中の身近なもの―ボタン、リボン、バケツ、古書など―をモティーフに、またときにそれらをスクリーンとして用い、鑑賞者の思い出やそれらに付随する気持ちを想起させる映像インスタレーションを発表してきました。近年は、特定の地域に根ざした文化や歴史をテーマにリサーチを行い、その場所の目には見えない側面を引き出し提示する作品を制作しています。記憶や歴史といった「過去」を扱う志村の世界観は、なきものへの懐かしさや恋しさを感じさせながら、「今」という現実を静かに語り、そして「これから」についての想像を私たちに促します。今回、普段は意識が向かないところに目を向かせてくれる志村の作品が、茶室という空間とどのように呼応し、私たちの目前に現れるでしょうか。平素は非公開のはけの森美術館2階ラウンジでは、志村による45分の映像作品《Nostalgia, Amnesia》(2019)を含む展示をご覧いただきます。
会期

2022年10月1日(土)~10月30日(日)

会場

茶室「花侵庵」、小金井市立はけの森美術館2階ラウンジ

開館時間

10:00~16:00(受付は15:30まで)

※荒天時、茶室「花侵庵」を非公開にする場合があります

休館日

月曜日・火曜日(10月10日は開館)、10月12日(水)

入館料

一般500円、中学生・高校生100円(会期中、1回のみ再入場可)

※障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料

※小学生以下無料

※10月29日(土)及び30日(日)は花侵庵の特別公開期間(東京都文化財ウィ

ーク)につき茶室内の作品観覧のみ無料

主催

小金井市立はけの森美術館

助成

令和4年度コミュニティ助成事業(一般財団法人自治総合センター)

関連企画

1. トークイベント「未来の暮らしとセーター」

2. 志村信裕ワークショップ

3. 緑地トーク

関連企画の詳細については、教育普及活動のページをご確認ください。

併催

所蔵作品展「中村研一:風景を中心に」(会場:はけの森美術館2階展示室)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

小諸市立小山敬三美術館コレクションによる 小山敬三展 ー浅間より出でその頂に至るー

本展では、小諸市立小山敬三美術館の所蔵コレクションより、中村研一より二歳年下の洋画家・小山敬三(1897-1987)の風景画を中心とした画業を振り返ります。
小山がどんな絵を描いていた画家かは《浅間山・風》(1966)を見れば、一目瞭然でしょう。簡略に描いているようでいて、細部まで考え抜かれた構図。雲間に見上げる浅間山の圧倒的存在感・安定感は「すごいなあ」と素直に感嘆させる力を持っています。
長野・群馬県境にそびえる活火山・浅間山の南麓を望む小諸に生まれた小山敬三は、その山容に強く惹かれ、戦後は軽井沢に浅間山の美しく見える別荘を構えたほどでした。この別荘からの眺めを中心に、晩年に至るまで四季折々の —— 晴れた日、雪の日、時には間近や遠くから…さまざまな浅間山の様子を描いた作品が制作されています。画家の人生をフルコースのディナーに例えるなら、「浅間山」は小山にとって戦後円熟期にふさわしい集大成、メインディッシュに相当するモティーフだと言えます。
メインディッシュはディナーコースのクライマックスです。そこに至るまでには工夫を凝らした前菜やスープがきょうされ、舌を楽しませるもの。十代の終わり、水彩による風景画に興味を持ったことをきっかけに絵画の道を志した小山は、島崎藤村の薦めを機にフランスに留学し、精力的に西洋絵画の技法を学びました。そして、滞欧中に目にした南仏やスペインの風景、旅行で訪れた中国の石造りの民家などの中に、卓越した構図を見出します。たとえば《河畔(トレド)》(1927)など留学期の作品を見れば、小山が対象を意匠化・単純化しながらも構図を工夫することで、モティーフの持つ存在感を描き出そうとしていたことが伺えます。こうした構図の追及が、戦後の浅間山の表現を培っていくのではないでしょうか。
小山敬三が生涯を通じて風景へと向けた視線は、言うなれば浅間山へと至る壮大な「コース」であると同時に、それぞれのモティーフの持つ存在感を確固としたイメージとして可視化し、捉えようとする試みであったと言えます。是非とも展示室で、小山の視覚によるフルコースを心行くまでお楽しみいただければ幸いです。
併せて二階展示室では当館所蔵の中村研一による風景を主題とした作品を、本展に併せて展示いたします。
会期

2022年7月29日(金)~2022年9月4日(日)

開館時間

午前10時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日

観覧料

一般 500円
小中学生 200円

(未就学児、また障害者手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

展覧会特設ページのご案内

特設ページはこちらhttps://www.hakenomori-art-museum.jp/keizokoyama

関連企画

ワークショップ「はけの森の生きものたちをつくろう byはけの手アニメーション」

関連企画の詳細については、教育普及活動のページをご確認ください。
※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

所蔵作品展 かげもまた光なり ー中村研一の色

黄、むらさき、ピンク、緑、オレンジ、青、そして黒―― 作品から放たれる鮮明な色たち、ヴィヴィットではっきりとした配色は、洋画家・中村研一(1895-1967)の戦後作品の特徴といえます。画面を彩るとりどりの色は直感的であると同時に、伸びやかな筆触や太い黒の輪郭線とも相まって、作品に自由な印象を吹き込みます。中村研一は、大正から昭和にかけて帝展や日展などで作品を発表し、近代洋画壇の重鎮として活躍しました。戦災で代々木の自宅兼アトリエを焼失し、1945 年に小金井に移り住みます。本展では中村が小金井に拠点を移してから制作された作品を中心に、中村の「色」に焦点をあてた展示をご覧いただきます。戦前、戦中は何色ともいいがたい淡い中間色や、暗めのトーンを基調とした作品が多くみられるのに対して、戦後になるとその色調がだんだんと、しかし確実に変わっていきます。それは、目に映る“光とかげ”を追い続けた中村研一の内なる変化の現れともいえるかもしれません。本展を通して、色に込められた画家の思いを垣間見ていただければ幸いです。
会期

2022年3月27日(日)~2022年5月8日(日)

開館時間

午前11時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日

観覧料

一般 200円
小中学生 100円

※5月8日(日)は中村研一の誕生日(5月14日)を記念した無料観覧日です。

(未就学児および障害者手帳、愛の手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

関連企画

1. 展覧会プレイベント「はけの森に響く日本の歌 莟 道子ソプラノ・コンサート」

2. 山本 修路さんと美術館でワークショップ!

①「緑地散策&葉っぱ標本づくりワークショップ」

②「木を触ろう!色を塗ろう!ペインティングワークショップ」

関連企画の詳細については、教育普及活動のページをご確認ください。
※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

二人のスケッチ ― 藤島武二と中村研一 ―

 本展では、藤島武二(1867-1943)と中村研一(1895-1967)という、東京美術学校の師弟であり近代日本洋画壇を代表する二人のスケッチをたっぷり展示します。
 ところで“スケッチ”という言葉は、どんな絵のことを示しているのでしょうか。例えば目の前の光景を写した「写生」や、構想をとりあえず形にした「下図」や「画稿」、メモ代わりの「イラスト」すらも、含むことがあります。改めて考えてみるとどこからどこまでをスケッチと言うのかは幅広いのですが、「しっかりと、計画と手順を踏んで描かれ完成した大作」に対して「そうではないもの」、もっとさりげなく、思いがけなく、時として描いた本人すら残すべきとは思っていなかった 、そんな絵画である、ととらえることができるかもしれません。
 だったら“スケッチ”なんてわざわざ見るほどの価値は無い(ましてやスケッチばかりの展示なんて…)と思ってしまうかもしれませんが、いいえ、まさにそこにスケッチの面白さがあるのです。さりげなく、思いがけなく、時としてささやかなもの――画家がちょっと思いついたこと、気になる光景や意外な感情――全てがスケッチに積み重なっているとしたら、そこに見えてくるのはより生々しい画家自身、人生の在り様ではないでしょうか。そんなスケッチの魅力をお伝えすることが今回の展示の目的であり、 多彩なスケッチ作品が登場します。
 そして二人一緒の展示にすることで、意外な共通点や個性が見えてくるのがポイントです。ロマンティックでおしゃれな藤島と、ちょっとハードボイルドな中村 、師弟二人分の人生の味は、まさに甘く見てはいけません。
会期

2021年10月30日(土)~2021年12月12日(日)

開館時間

午前11時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日
11月23日(火・祝)も休館日

観覧料

一般 500円
小中学生 200円
(未就学児および障害者手帳、愛の手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

所蔵作品展 画家のメタモルフォーゼ ―中村研一、その作風の変化―
同時開催 水辺のドローイング

 洋画家・中村研一は戦後、明るい色彩とのびやかな筆致による女性像や室内画を数多く描きましたが、他の画家にとってもそうであるように、この画風は一朝一夕に生まれたものではありませんでした。本展では中村作品におけるモティーフと描写の変化―これを本展ではメタモルフォーゼととらえます―を、対比的にご紹介致します。
 明治28 (1895)年に福岡県で生まれた中村は、青年期に鹿子木孟郎の下で学んだ他、 大正4 (1915)年には東京美術学校に入学、岡田三郎助の指導を受けました。そのため初期作品には太平洋画会や、外光派の特徴が見て取れます。中村はそうした影響の上に、陰影のコントラストに特色を持つ画風を展開、官展を中心に発表を続け高く評価されました。戦後にかけてはさらに大きく作風が変化し、筆跡を残す大胆なタッチ、色鮮やかで平面性が際立つ背景、黒い輪郭線が見られるようになります。ここからは中村が一般的な意味での「リアリズム」から遠ざかりながら、新たな表現を模索する様子がうかがえます。一方モティーフに着目すると、戦時下にはベトナムやシンガポールの風景、戦艦の浮かぶ海景、現地の女性像、また戦争記録画の下絵として兵士のエスキースなどが描かれました。また戦前から描き続けていた妻の単身像は戦後にも引継がれ、中村のライフワークとも呼べる主題となってゆきました。1920年代から60年代にかけての、驚くばかりの画風の変化(メタモルフォーゼ)をお楽しみ頂ければ幸いです。
 また二階展示室では、「水辺のドローイング」展と題し、所蔵品の中でも夏らしい水辺を描いた風景画を中心に展示致します。
会期

2021年7月28日(水)~2021年9月5日(日)

開館時間

午前11時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日

観覧料

一般 200円
小中学生 100円
(未就学児および障害者手帳、愛の手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

所蔵作品展 画家の仕事と手遊び 中村研一、はけの日々

 画家の仕事が何かと言えば、それはもちろん絵を描くことでしょう。洋画家・中村研一(1895-1967)は本格的に画家を志す際に父から「売り絵は描くな」という趣旨のことを言われたといい、生涯そのための個展をしなかったという逸話があります。この真偽はともかく、中村が、公募展や、所属していた光風会の団体展を主たる作品発表の場としていたことはたしかです。例えば当館所蔵作品のなかでも、ちょうどこの時期にぴったりな《早春》(第48回光風会展出品)や、おしゃれな水着のデザインが印象的な《夏》(第6回親日展出品)は、そうした展覧会への出展作品として制作されたものです。こうした油彩画における明快な色調、モティーフのフォルムをはっきりと太いアウトラインで捉えた表現は、いかにも「中村研一らしい」画風だと言えるでしょう。
 他にも、コラムや新聞小説の挿絵、本の装丁など中村研一は多様な依頼を手掛けており、中には印刷に回すことを想定して余白にその際の指示が書いてあるカットもあります。
 一方で、当然ではありますが中村研一はその描くという行為の全てを仕事と捉えていた訳ではありません。日々の暮らしの中では、発表を意図したわけではない多くのスケッチや水彩、そして時には油絵が生まれました。手紙に絵を描き添えたり飼い猫の姿を板絵にして贈ったり、それらは日々の愉しみ、生活への愛着であると言えます。
 また、画業とは性質を異にしながら、中村研一が熱心に打ち込んだものとして作陶を忘れることはできません。若いころから古陶磁に惹かれ蒐集していた中村は、小金井転居頃から自ら作陶を行うようになりました。各地の窯元を訪ねて土をひねり、絵付けをした自作は、茶室に飾る花活や水指、あるいはコーヒーを味わうデミタス・カップといった自らの暮らしのためのものでした。本展ではこうした制作を、「手遊び(てすさび)」と捉えました。
 画家としての文字通りの生業である絵を描く「仕事」と、日常をいつくしむとともに愉しむ「手遊び」。その両側面から、中村研一の人間的魅力を概観します。
会期

2021年3月27日(土)~2021年5月9日(日)
※ 2021年4月24日(土)で緊急事態宣言の発出のため中止となりました。

開館時間

午前11時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日(5月3日、4日も休館)

観覧料

一般 200円
小中学生 100円
(未就学児および障害者手帳、愛の手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

所蔵作品展 ふたたびの《北京官話》―中村研一が描く人体のフォルム―

 紀元二千六百年奉祝美術展覧会に出展するため制作された《北京官話》は、洋画家・中村研一の戦前期を代表する作品の一つです。令和元年に現存が確認され、はけの森美術館では《北京官話》新収蔵を記念した所蔵作品展を今春に計画していました。
 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により記念展示はやむなく中止に。感染拡大防止には必要な措置でしたが、既に展示作業も完了し来館者に見てもらう日を待つ《北京官話》に、美術館スタッフは忸怩たる思いでした。
 緊急事態宣言が解除されたら、改めて《北京官話》の紹介をしよう――その思いから半年、本展ではさらに展示内容を拡充することを目指しました。
 《北京官話》はいわゆる「チャイナドレス」を着用した女性像ですが、日本近代洋画壇には「民族服の女性像」という系譜があります。中村にとっても民族服の女性像は魅力的なテーマであり、戦後に至るまで多くの作品を生み出しました。
 そして、中村研一が生涯を通じて追及したのは「ほんとうのフォルム」。モデルの外見は文字通り千差万別です。そうした人々の容姿――人体のかたちに対し、中村はどのようなまなざしを向け、そのフォルムをカンヴァスに描き留めたのでしょうか。
 本展では《北京官話》のお披露目に加え、さまざまな人物を描いた油彩画や素描、水彩画など幅広く展示することで、中村研一が追及した人体のフォルムを概観します。
会期

2020年10月31日(土)~2020年12月6日(日)

開館時間

午前11時 ~ 午後4時(入館は午後3時半まで)

休館日

月曜日・火曜日
※ただし11月3日(祝・火)、11月23日(祝・月)は開館
 それぞれ翌水曜日(11月4日、11月25日)が振替休館日となります

観覧料

一般 200円
小中学生 100円
(未就学児および障害者手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、開館時間の変更を行っております。
※ギャラリートーク等関連企画は、当面の間中止といたします。
※今後の動向により、さらに会期や開館時間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

所蔵作品展 木陰 中村研一、自然を描く
特集展示 にゃーにゃーにゃあ 中村研一、猫を描く

 新型コロナウィルスが猛威を奮い、今年は桜や新緑の季節を実感しないまま過ごされた方も多かったのではないでしょうか。日常を離れてみると、日頃いかに自然や四季折々の変化が、私たちの心を和ませてくれていたのか気づかされます。
中村研一は1945(昭和20)年、代々木初台町(現渋谷区初台)のアトリエが戦災にあい、小金井に引っ越しました。中村研一の小金井の居宅(現在のはけの森美術館附属喫茶棟)は溢れる湧水(現「東京の名湧水57選」の1つ)と木々に囲まれ、現在もその自然豊かな姿を残しています。中村はこの地で1967(昭和42)年に亡くなるまで、愛する妻や愛猫そして自然に囲まれ穏やかな日々を送ったようです。
人物描写を得意とする中村ですが、小金井に引っ越してからは、風景や植物を題材とした作品をたくさん描いています。この度の所蔵展では、中村の描く自然をテーマに展示しました。中村が描いた緑の空間をぜひお楽しみください。
 特集展示として、中村研一が描いた猫を中心に、動物をモティーフとした作品を展示します。
会期

2020年7月29日(水)~2020年9月13日(日)

開館時間

午前11時 ~ 午後4時 (入館は午後3時半まで)

休館日

毎週月曜日・火曜日(8月10日も休館)

観覧料

一般 100円
小中学生 50円
(未就学児および障害者手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)

※急きょ1階展示室のメンテナンスが必要となったため、本展は2階のみで行います(2階展示室及び美術館ラウンジ。美術館ラウンジは今会期中のみの特別公開)。
※今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、会期・開催時間の変更を行っております。
※ギャラリートーク等関連企画は、当面の間中止といたします。
※今後の動向により、さらに開催期間が変更になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

所蔵作品展「新収蔵記念《北京官話》」
同時開催 特集展示 「にゃー 中村さんちの猫たち」
中村研一の代表作、80年ぶりの公開

中村研一戦前の代表作の一つである《北京官話》が当館に寄贈されたことを記念し、本作の80年振りとなる公開を行うとともに、中村研一の描いた、妻・富子夫人のや周囲の人々の姿を概観します。また、2階展示室では特集展示として「にゃー 中村さんちの猫たち」を同時開催。中村家歴代の猫をはじめとした、さまざまな動物の姿をお楽しみいただけます。
会期

公開中止となりました

開館時間

午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)

休館日

毎週月曜日 5月4日(月・祝)も休館日

観覧料

一般 200円、小・中学生 100円
(未就学児および障害者手帳をお持ちの方と付添いの方一人は無料)
※5月10日(日)は中村研一の誕生日を(5月14日)記念した無料観覧日

※会期の変更がございます。ご注意ください。
※また、今後の新型コロナウィルス感染拡大の状況により、
開催期間が変更になる可能性がありますので、ご了承ください。

伊東深水の光景―戦中から戦後、南方から小諸―

会期

令和元年10月19日(土曜)から令和元年12月15日(日曜)

休館日

月曜日
ただし令和元年11月4日(月曜)は開館、翌令和元年11月5日(火曜)振替休館

観覧料

一般500円 小中学生200円
未就学児および障害者手帳をお持ちの方は無料
令和元年10月22日(火曜祝日)は、即位礼正殿の儀に伴う慶祝事業の一環として観覧料無料

展示概要

本展は平成29年に開催された企画展「南方より、伊東深水から―市川市所蔵《南方風俗スケッチ》」の内容を引き継ぎ、さらに発展させるものです。今回は長野県の酒蔵美術館 ギャラリー玉村本店が所蔵する南方のスケッチを紹介します。
また、同ギャラリーでは伊東深水が終戦時長野県小諸市周辺に疎開していたという地縁から、終戦前後の小諸周辺を描いたスケッチも所蔵しています。二つのスケッチは太平洋戦争最中から終戦への時代の大きな流れを、伊東深水のまなざしを通した日々の移り変わり、文字通りの「光景」として描いているのです。そこで本展では南方スケッチ、小諸スケッチの双方を展示することとしました。美人画家として名高い伊東深水ですが、風景画に対しても生涯強い関心を寄せており、眼前の光景を的確にとらえる巧みな筆線も、大きな魅力の一つです。深水がそれぞれの時、場所で見た光景を、ぜひスケッチを通じてお楽しみください。

関連企画

1.ギャラリートーク
2.ワークショップ 樹脂ねんどを使ってキーホルダーづくりにチャレンジ!
3.ワークショップ アニメーション背景技法で描いてみよう―新年編

関連企画の詳細については、教育普及活動のページをご確認ください。